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2015年07月03日

トレカ屋開業 その35(完結)

  9 エピローグ

 良くも悪くも貴重な体験をした二年とちょっとだった。これらの経験を次に活かして、充実した生活を送りたいものだ。
 俺は店を辞めてしまった。これからはニートだ。
 
 ……テレビで観るニート。
 こいつらダメダメだな、なんて思っていた自分が懐かしい。
 俺も今ではニートだ。……ははっ、皆の目が俺をあざ笑っているようだ。
 ……精神的にキツイな。この社会から孤立したような感じがたまらん。
 バイトでも探さないと……しかし、この歳でバイトを探すのもツライ。
 高校生と同じバイト代で仕事をするのも嫌だな。絶対聞いてくるよ。
「何で、就職しないんですか。何でバイトなんですか」ってね。
 ああ、そのたびに俺はどう答えようか。
 二十代ならまだいい。しかし、これが三十代、四十代となったときのことを考えるとあまりにもキツイ。
 そうか、ニートやフリーターは決して楽な生活なんて送っていないんだ。
 こんな精神環境の中、生きて行かなくてはならないんだからな。
 将来像がはっきりしないことが、こんなに不安でどうしようもない気持ちになるとは思わなかった。
 
 ――家に帰って自分の部屋に行くと、周と陣がいた。
 ……いやいや、こんな呼び方失礼だ。神様二人が俺の家においでになった。
「あ……」
「よう。やっと帰ってきたか」
 母さんが彼女たちを家に上げたのか。彼女たちは自分のことを神様だと告げたのか。
 ……それとも何も言っていない?
 それにしてもよくこんなコスプレ女、家に上げたな。少しは警戒してくれよ、と思う。
 あるいは彼女たちは神様なので、母親に気づかれずに家に上がった……それなら納得できるな。
 どちらにせよ、登場の仕方がいきなりだ。事前に連絡でもしろ……して下さい!
 
「あの、俺、今日辞めてきました。店……」
「だから来ている。前に言わなかったか? お前が店を辞めるときにわたしたちが来ると。今日はお前の閉店お祝いパーティーだ。菓子や飲み物は買ってきている。ほれ、食せ。飲め」
 二人はすでにパーティーとやらを始めているようだ。
 床にはお菓子の食べカスや、ジュースをこぼしたであろう畳に湿った跡があった。
 だが、開店祝いならわかるが、閉店祝いなんて初めて聞く。
「……別に祝われたくないッス」
「ああ、そうか。まあ、これは冗談だ。単にわたしたちは腹が減っていたのでな。勝手に宴会場にさせてもらった。で、次はどうするんだ? サラリーのほうか? 自営のほうか?」
「……いや、もうバイトでもいいかなって」
「バイトだけ? それ以外は何もやらないのか? で、将来どうするの?」
「そんなの、まだ……」
「まあ店を辞めたばっかりだ。しばらくは休むのもいいかもしれないぞ……ところで!」
 突然、彼女の声が大きくなり、言葉の続きを止めた。
 ところで……何だ?
 
「まだ気づかない?」
「え?」
「わたしね、神様なんかじゃない。この子もそう。わたしたち姉妹なの」
 何をいきなり言っている?
 やはり……神様なんかではない?
 いや、気づくの遅すぎるだろ、俺?
 何を根拠に今まで神様だと思っていたんだ。
「……どういうこと、なの?」
「本当にわたしのことなんか興味なかったのね、飯島君」
「え、あれ……誰……ですか?」
「品川美香、妹は翔子」
「品川? 品川、品川……あ!」
 思い出した。確か高校生のときの同級生だ。
「わたしね、高校生のとき、あなたのことが好きだったのよ。何度も告白しようと思ったけど、わたしなんてブス、無理だと思っていたんだ」
「いや、ブスなんかじゃないよ。……スッゲー美人だ」
「ありがと。飯島君、商学科なのに漫画家になってやるって言っていたじゃない?」
「ああ、覚えていたか」
「わたしはそれを聞いて不安だった。だって飯島君、そんなに絵が上手いってわけじゃなかったじゃない? 大学に行っても、ちゃんと就職するのかどうか心配していたの」
「お前はどこかに勤めているのか?」
「ええ。東証一部上場の会社で正社員よ」
「……お前、昔からちゃんとしていたからな」
「風の噂で聞いた。飯島君が漫画家を諦めて、介護職に就いているって。それだけならいいんだけどね、もうすっごい死んだような顔でいるって聞いたのよ」
「え、誰? 誰に聞いたの?」
「あなたのお母さん」
「な……オカンだ……と?」
「さっきも言ったけど、わたし、あなたのことずっと好きだったのよ。素敵な漫画家になっているか、ちゃんとしたところに就職したのか。久しぶりに会おうと思ったの。携帯番号なんて知らないから、卒業アルバムの名簿見て、住所調べて……」
「で、オカンに会ったと?」
「そう。素敵な再開を期待していたのに、とんだ事実を知ってしまったわ。で、あなたのお母さんとわたしがあなたの就職意識を高めようと一芝居打ったわけ」
「なんだ……そうだったのか……そういや、お前、高校のときに妹がいるっていってたよな」
「うん、翔子のことね」
「翔子ちゃんまで何でグルになってんだ?」
「それは……」
「ん? それは?」
「わたしが、飯島君に押し倒されたときに助けを呼んでもらう役……」
「あ? 俺がお前を?」
「だってさ! ずっと漫画、描いていたんでしょ? だったらオタクじゃん……こんな胸元が開いた衣装……それにおヘソも見えちゃっているし。飯島君も男の子なんだから、いつ理性が崩壊するかわからないじゃん?」

 頭のいい女の子だが、こんなところまで頭が回らなくいい。
 俺を何だと思ってるんだ。獣か?
 しかし、その照れた顔……かわいいいじゃねーか。
 高校のときは眼鏡で、髪の毛は後ろにただまとめていただけだから、こんなにかわいい顔しているなんて全然気づかなかったぜ。
 たぶん、お前のした予防策は間違っていないはずだ。
「ねえ、今からでも自分の人生変えてみない?」
「就職かー……就職……ねー」
「ううん。就職じゃなくてもいいと思う。飯島君のやりたいこと見つけて。きっと飯島君にはサラリーマンは向いていないと思う」
「何でそう思うの?」
「言ったじゃない。わたしが周と名乗ったとき、あなたは自営業をしたいと」
「……ああ、言ったな」
「皆がサラリーマンっていうわけじゃないわ。だからあなたが納得できる仕事は必ずあると思うの。まだ若いんだからどんどん好きなことをやって自分の可能性を発見したらいいと思うわ」
「そうだな……ありがとう。俺、がんばってみるよ」
「お姉ちゃんもう済んだー?」
 品川美香の妹、翔子が話した。
「ねえ、もう帰ろうー。飽きちゃったー」
「はいはい。帰りましょう」
「約束の勉強見てよー」
「わかってるわよ」
「翔子ちゃん?」
「ん?」
 俺は翔子ちゃんとして、彼女と話すのは初めてだ。
 
「ありがとう。訳もわからず、美香お姉ちゃんの遊びに付き合ってくれてありがとうね」
「……いいよ。別に。将来、あなたがお義兄さんになるんだったら、ちゃんとしたとこに就職してほしいからね」
「何を……」
 品川美香の顔が真っ赤になる。
 でも、いいなあ。品川美香と付き合って、いずれ結婚するなんてなったらどんなに嬉しいことか。
 
 俺はバイトをやりながら、いろんな副業を試すが上手くいかない。
株、FX……どれも結果は散々だった。
だいたいこういうのは素人でも稼げる! って、よくネットで見かけるがとんでもない。
 そんなに簡単なら皆やっている。
 俺も実際にやってみたが、稼ぐことはできなかった。むしろ、残りの貯金の大半をも失ってしまった。
 人間、不安になるとギャンブルに走る。そして大金を失うのだ。
 最悪の場合、負けを取り戻そうといたるところで借金をし、さらに損失額を増やすものだが、さすがに俺はそこまで人生を捨てられない。
 諦めない限り、人間はやり直すことができるのである。
 
 ……俺は原点に戻って漫画を描こうとするが、描く気にはなれない。
 まともに取りかかると、二、三か月かかるからだ。そんな心の余裕はない。
 そんなとき、ネーム(原作)だけで応募できる賞があった。
 このコンテストはプロアマ問わず幅広く漫画作品のネームを募集するというもので、「ネーム状態での応募」という他にはない応募条件のコンテストには「気軽に参加できる」と「ネーム段階で第三者の評価を取り入れ、それを完成稿に生かすことができる」という二つの大きなメリットがあるらしい。
 
 ネームだけなら、と昔描いた漫画を三週間かけて手直しして応募する。
 すると四か月後にその作品が受賞されたのである。
 審査員の評価が良く、すぐに読み切り作品として世に出た。
 
 ――半年後、それは連載漫画になり人気は不動のものになった。
 俺は彼女を呼び出した。品川美香だ。
 ここは駅前のオシャレな喫茶店だ。
「飯島くん!」
「あ、品川」
「ごめん、待った?」
「いや……待っていても楽しかったから。全然」
「じゃあ、行こうか? 映画、連れてってくれるんでしょ?」
「ああ」
「それにしても飯島くんが誘ってくれるなんて初めてだね! 何かあったの?」
「ようやく俺が原作を書いている漫画も軌道に乗って、心に余裕ができたからかな。これも品川がきっかけを与えてくれたおかげだ。俺、品川に会ってなかったら今でも介護の仕事をだらだらしていたのかもしれない」
「ふふ……どう? 今の気持ち? 自分のやりたい仕事できている?」
「ああ、漫画家にはなれなかったが、漫画の原作を書かせてもらっているんだ。幸せだよ。いろんなことに挑戦してよかったと思っている。おもちゃ屋をやったのもいい経験になった。」
「よかったわね。仕事ってね、好きな仕事だったらずっと続けていられるものなのよ」
「ああ、長く続けてられそうだ。俺、この仕事好きだから」
「……かっこいいよ。今日の飯島君は! 輝いて見える」
「なあ、好きな仕事だったら長く仕事が続けられるんだよな。それと同じで俺が好きな人も、ずっと好きでいられると思う」
「え……何? 飯島くん……」
「好きだ、美香……付き合ってくれないか」

品川美香は小さく頷き、目をゆっくりと閉じた。
俺は誰に言われたわけでもないのだが、唇を彼女の口元に近づける。まるで、そうすることが自然の流れであるかのように。
 そして、そっと口づけをした。
 彼女がほろりと涙をこぼす。
 俺が彼女の涙を見るのはこれが二回目だった。
 一回目は高校の卒業の日。
 俺は当時、彼女が言ったあの言葉を思い出した。
「今度、会う日まで楽しみにしているから……」

 俺は彼女に相応しい男になれただろうか?
 こんな俺を好きになってくれてありがとう。受け入れてくれてありがとう。

posted by サイコー君 at 15:41 | Comment(1) | トレカ屋開業(自作ラノベです) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一応これで物語は完結です。

最後、トレカ屋をやめて、漫画家になるんですね。
なんというオチだ……。
漫画家になりたいなんて、確かに話の序盤にちょろっと出てたけど。
これはハッピーエンド……なのか?

――みたいなことを、評価シートで書かれていました。
もっと盛り上げてくれ。まるで日記だ。……みたいなこともね。

まあ、日記のようなもんだわw
これを書いたのって3年ぐらい前なんだけど、このときでもFXネタ書いてるんだな。
FX、大好き人間だわ。

あれだけやめるとか言って、まだ今でもトルコリラ持ってるんだから。
今度は低レバレッジでスワップ狙いだけどね。
為替の差益は狙わないようにした。高レバじゃない限り、いきなり数万円のマイナスとかないから、のんびりしたスタンスでやることにしたよ。
セントラル短資だと1枚持っておくだけで、123円もスワップ付くしな。とりあえず2枚買った。

さっき、外為ジャパンから出金があってな。
15万さらにセントラル短資に入れたよ。
これでレバは3倍まで下がった。夜中にあと1枚だけ買うつもり。5倍以内におさえておきたいよね。
3枚だと1日に369円つくわ。1年間ホールドで、前回のマイナス分を補えるな。
ありがたい……。
Posted by 管理人 at 2015年07月03日 15:55
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