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2014年10月26日

スルガニャン物語2(6)

 CD箱は売れ続けた。
 そんなある日、ブログにこのようなコメントが書かれた。
『サイコー君、俺も取引停止メールが届いたよ。お前とはもう取引しねぇ。もうライバル業者からのダンボール送ってくるなって。俺、やったよ。ベックオフに一泡吹かせたよ!』

『二十箱送りました。案の定、取引停止メールが来ました。やりました。駿可屋バンザイ!』

『わたしにもメールが届きました。えぇ、取引停止メールです。噂は本当だったのですね。喜んで退会しましたよw』

 ――と、続々と結果報告が届いた。
 皆、よくやってくれた。これでベックオフも目を覚ますだろう。お客様をないがしろにした結果がこれだ。
 いつまでも業界トップだと思っているのも今のうちだった。
「よし、いい感じだ。まずは計画通りって感じだな」
「サイコー君、大変だにゃ!」
「なに、どうしたのスルガニャン?」
 スルガニャンが慌てた様子で事務室に入ってきた。なにかあったのか?
「貴殿野郎が姿を消したにゃ!」
「貴殿……無断欠勤か?」
「わからないにゃ。でも、ケータイに電話しても繋がらないにゃ。電源を切ってるようにゃ」
「あいつ、こんな忙しいときに。またFXでもやってるんじゃないだろうな」
 とりあえず五十回ぐらい鬼電した。……が、それでも出る気配はない。駿可屋を裏切ったか?
 最近ちょっとイジメすぎだったからな。拗ねているのかもしれない。でも無断欠勤はないだろう。まったくどうしようもねぇな。
「貴殿野郎のことは保留だ。さあ、俺たちも梱包の手伝いだ、スルガニャン」
「ラジャにゃっ!」

 ――それから一週間がたった。CD箱はまだ売れ続けている。
 ブログだけの報告で、ベックオフを退会したのは百六十二人になった。四桁まではまだまだか。
 プルルルル、プルルルル……。
 電話? 誰からだろう? ……あ、こいつ。貴殿野郎だ。
 貴殿野郎はこの一週間、ずっと無断欠勤をしていた。今までどこをほっつき歩いてやがったんだ?
「貴殿野郎、お前――」
『サイコー殿でござるか? 吾輩、やりましたよ。やってやりました!』
 まるで悪びれていない。意味がわからん。ハイテンションなのもわからないし。まず初めの一声は「申し訳ありません」だろうが。
「あんたな、この数日、無断――」
『FXですよ。FXやっていました!』
 人の話を聞け! ……ん? なに、FX? こいつ、FXって言ったのか? 
 無断欠勤してFXって、それってもうクビにして下さいって言ってるのと同じことだろうが。
「貴殿野郎、あんたそういう奴だとは思わなかった。変な奴だけど駿可屋のことだけは裏切らないって――」
『吾輩はベックオフに行ってたんでござるよ、サイコー殿。それも従業員としてね』
 まさか。……ってことはスパイ?
 確かスルガニャル子さんが冗談でそういうことを言っていたな。あれを真に受けたのか? ……だが、それとFX。どういう関係があるんだ?
『ベックオフに忍び込んで、会社の金でFXをやったでござる。もちろん大負けでござるよ。ハ、ハ!』
「いや、待てよ……それ、普通に犯罪じゃねぇか。捕まるぞ、貴殿野郎」
『いいのでござるよ、サイコー殿』
 どういうわけだ。捕まるって言ってんだよ。
 駿可屋でする不正とはワケが違う。ベックオフにお前をかばってくれる人間なんていないんだぞ。
『吾輩は駿可屋に大きな恩を感じているでござる』
 どうでもいいが語尾が「ござる」で安定してきたな。
『吾輩、幼少の頃からバッハとかモーツァルトとか呼ばれていたでござる。バッハの忍者とか、忍者のバッハとか。もうワケがわからんくてなー。吾輩は世間から取り残された疎外感があったんじゃ』
 と思ったら今度はジジイっぽくなった。はっきりキャラの方向性決めろよ、貴殿野郎!
『だが、駿可屋は吾輩を受け入れてくれた。大切なショップの箱にも吾輩のイラストが描かれている。今は降格となってしまったが、通販部兼買取部のチーフにもなった。吾輩が駿可屋で働いたことは誇りでござる。だからこれは恩返しでござる。例え、我が身が滅びようとも――な、なんでござるか、お前らっ!!』
 貴殿野郎? なに? なにがあった?
「貴殿野郎、どうした?」
『くっ……どうやらベックオフの社員に見つかったようでござる。今、警備員を呼ばれた。クソッ! 来るな、来るなでござる!!』
「貴殿野郎……早く、早く逃げて!」
『サイコー殿、吾輩はどうやらここまでのようでござる……クッ、押すな! これで少しはFXの罪も軽くなったでござるか? FXの罪はFXで返すでござる。これからの駿可屋を頼み申しましたぞ、サイコー、殿……』
「貴殿野郎? ……貴殿野郎っ!」
 貴殿野郎の声がどんどん遠くなっていく。ベックオフの社員に捕まったようだ。
 命を懸けた行動だった。
「貴殿野郎……ふざけた野郎だとばかり思っていたのに。最後の最後にやってくれたな……」
 貴殿野郎がベックオフの金を使ってFXで出した被害額はおよそ三十億円。
 どうやったらこんな短期の間にこれだけ損失を出せるのか不思議に思ったが、FXならそれも可能か。
 取引の枚数を増やせばいくらでもリスクのある取引ができる。
 ここでプラスでなく、確実にマイナスに持っていくとはな。根っからFXの才能がない。
 CD箱でベックオフに大きなダメージを与えた。しかし、トドメを刺したのは貴殿野郎の勇気ある行動だった。普通に犯罪だったけど。
「自業自得だよ、あいつ……」
 このまま貴殿野郎を放っておいていいのだろうか。あんな奴でもいなくなると少しは寂しくなるかもしれない。
 とにかくスルガニャンと皆に報告だ。




posted by サイコー君 at 21:20 | Comment(0) | スルガニャン物語2(自作ラノベです) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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