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駿河屋の福袋

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2014年07月27日

俺とスルガニャンとクロガネの翼(4) *この物語はフィクションです

  2 買取について

 一階に上がった俺はやっぱりどうしてもまだスルガニャンといちゃつきたかったので、スルガニャンの周りをうろうろしていた。
「お前、まだいたのかにゃ? もう帰っていいにゃ。引っ越しの件についてはもう聞いたにゃ。お願いだから帰ってにゃ。お前の質問に答えているだけで一日が終わってしまいそうにゃ」
「そんなぁ、いいじゃない、スルガニャン。俺、早く駿河屋の業務のこと、よく知っておきたいんだ」
 スルガニャンはペット用の水入れの器から、水をぺろぺろして飲んでいた。ラブリーだった。
「一階ではなにをやっているの、スルガニャン?」
「一階は主に買取業務をしているにゃ。毎日、日本各地から何百箱と商品がダンボールで届いてくるにゃ」
「買取かぁー。俺もお世話になったな、駿河屋の買取には」
「お前、買取についてどれぐらい知っているにゃ? っていうか、何度利用したことがあるにゃ?」
「俺は八回ぐらい利用したかな。初めはあんしん買取派だったんだけど、途中からかんたん買取派になって、今ではあんしん買取+かんたん買取派さ」
「むむむっ、これはまた通な買取申込をする奴にゃ。そのメリットを聞こうか?」
「もしかんたん買取で申し込んで、ゴミみたいな荷物から数点だけ価値のあるものがあったとするよ。五千円とか一万円で売れるやつ。でもさ、かんたん買取だったら買取査定のときに気づいてもらえない可能性だってあるだろ? だから高価なものはあんしん買取のほうがいい。でも、ごちゃごちゃしたやつだって売りたい。そんなとき、あんしんとかんたんの二回に分けて売るなんて、そんなの手間だ。振込手数料だってかかるしね。二回分けて売ることで手間なのは駿河屋側だってそうだろ?」
「うんうん、こいつよくわかってるにゃ」
「かんたん買取は一見簡単そうに思えるが、実は違う。カテゴリごとに点数を書く必要がある。それが二、三十点ぐらいだったらいいけど、数百点なんかになればとても数えられない。こまごましたものを袋にまとめるという技もある。でも、ゲームソフトやCDなんかはそういうわけにもいかない。とにかく面倒なんだ、数えるのは。だからあんしん買取をベースにして、備考のところに『かんたん買取してほしい分も送ります』って書いたら、一番楽な買取になるんだ。これこそあんしん買取とかんたん買取のいいとこ取りをした究極の買取申込方法さ!」
「さすが……サイコー君だにゃ。よく研究している。たった八回の買取でよくここまで真相に辿り着いた。やはりおいらの目は曇っていなかったか……よし! 気が変わったにゃ! お前に買取についてもっと教えてやろうにゃ。ついてくるにゃ!」
「やったぁ、スルガニャン!」
 ということで俺とスルガニャンは隣の大きな部屋に移動。ちなみにさっきまでいたのは休憩室だった。
「――さ、入るにゃ!」
 たくさんの人がいる。ダンボールから品物を出して、パソコンに打ち込んでいるんだ。すっげー手間のかかる作業だよな、これって。
「すごいね、スルガニャン。皆、真剣な表情だ」
「真剣にやらにゃいと、作業が追いつかないにゃ。ただでさえ遅延遅延なんて世間から言われているにゃ」
「それは駿河屋の買取価格が高いから、たくさん送ってくるんでしょ? なんで駿河屋はあんなに買取価格が高いの? ゴミみたいなものでも高く買い取ってくれるじゃん」
「それはサービスだにゃ。中古業界というのはお客様が品物を売ってくれて、初めて商品として出せるんだにゃ。その気持ちを買取価格に反映させてるだけにゃ」
「スルガニャン……」
 なんていい人なんだ。なんていい猫なんだ。
「俺、また感動したよ。でもね、これだけは聞いておきたいんだ。前に雑貨箱を買ってさ、いらないものを駿河屋に売ったんだ。そしたら買ったときの倍ぐらいで引き取ってくれたよ。これって駿河屋で雑貨箱を買って、駿河屋で売ったら倍で買い取ってくれた。ちょっとおかしくない?」
「まあ、普通に考えておかしいにゃ。でも買取を担当したスタッフがそう判断したのなら、なにも問題ないにゃ。ウチでは個人の判断を尊重しているにゃ」
「ということは本当に福が入っている福袋なんだね……こんなの駿河屋でしか知らない。駿河屋だけだよ。こんなにいい福袋を売ってくれているのは。駿河屋の買取、最高!」
「ちなみに買取を申し込む際に、送料が無料になる方法は知っているかにゃ?」
「スルガイヤーだったら常識だよね。あんしん買取の場合は三千円以上のものを送るとき、送料が無料になる。かんたん買取のときは三十点以上だ。裏ワザとしては三千円以上で売る品物がないときはかんたん買取を選択したらいい。噂では貝殻を十円で買い取ってくれたという話も聞くからね。その辺の石を混ぜるのはまあ最後の手段として、セット本だったらバラにしたらいい。DVDやゲームでも特典の付属があったらそれもバラにしたらいい。雑誌なんか家族や知人に相談すればいらないものが何冊かあるはずだ。だから三十点集めることは意外に容易い。……だろ、スルガニャン?」
「なるほど……裏ワザを発見するとはさすがサイコー君。そうか、そういう手もあったにゃ。どうりで最近貝殻を忍ばせてくる客が多いと思ったんだにゃ」
「あんまり買取するジャンルも広げるのも大変だね。それだけ査定に時間はかかるし、品物を置いておくスペースも必要だ。……貝殻とか石だけでいくつぐらいあるの? っていうか、それ売ってる? サイトで見たことないんだけど。ちなみに貝殻で検索かけてもそれらしいものは出なかったんだけど」
「いや、貝殻は数回しか買い取ったことないにゃ。あまりにも貝殻が多くて気味悪がってほとんど買取不可にしたにゃ。……普通に考えたら当たり前のことにゃ」
 だよね。どこに貝殻とかその辺に落ちてる石とか買い取ってくれる店があるんだよ。駿河屋、神すぎるだろ。……あっ!
 俺はまたなんか見覚えのある人を見つけてしまった。エプロンをつけている男の人。
 ……え〜っと、あの人誰だっけ? なんかしょっちゅう見てるんだけど。でも思い出せない。
「ん? どうかしたかにゃ? ……あー、あれを見つけたかにゃ」
 俺の視線に気がついたスルガニャンが言った。そして俺は思い出す。あの男の仕草を見て。
 男はお辞儀をしていた。周りに人がいるわけでもない。それでも丁寧に何度もお辞儀をしていた。
 ……あの人は売り切れのときに表示されるお辞儀君。お辞儀君だ!
「お辞儀君っ??」
「スルガイヤーの間ではそう言っているみたいだにゃ。そう、あの男こそお辞儀君のモデルになった男、篠原拓自だにゃ!」
 えぇー、そういう名前だったの? 普通ぅー……。
「――篠原、ちょっとこっちに来るにゃ。紹介するにゃ。ウチの会社に入社することになったサイコー君」
「あ、どうも。こんにちは。よろしくお願いします。わたし、篠原っていいます。どうぞ、よろしく」
 篠原さんはずっとぺこぺこ頭を下げていた。……さすがお辞儀君だ。お辞儀が丁寧だ。
「こちらこそよろしくお願いします。サイコー君こと、涼野守です」
 お辞儀君はまた買取業務の続きに戻った。貴殿野郎にも会えたし、今日はなんて素晴らしい日なんだろう。会社に顔を出して本当によかった。
「二階に行くかにゃ? どうせおいらが二階に行こうとしたら、お前もついてくるんだにゃ?」
「ぜひ! 二階も案内して!」
「ふぅー、わかったにゃ。階段で行くにゃ」
 スルガニャンは器用に階段を上がっていく。
「待ってー、スルガニャン!」

  3 福袋について

 二階に上がると、まずスルガニャンが案内してくれたのは由宇さんがいる部屋だ。
「――由宇、入るにゃ」
「あ、お父さん……いや、スルガニャン」
 慌てて、お父さんからスルガニャンに言い換えた由宇さん。でも俺はスルガニャンと由宇さんが親子だということは知っている。
「由宇、もういいにゃ。この男にはおいらたちのことを伝えているにゃ」
「そうなの……。そんなに父さんが認められる人なの?」
「うん。こいつのオタクぶりにはいつか我々の助けになるだろうにゃ。きっとにゃ」
 椅子に座っていた由宇さんが立ち上がり、俺の前まで近づいてきた。
「そうですか……よろしくお願いします。涼野さんでしたよね?」
「涼野守です。わたしも駿河屋ファミリーの一員として、がんばります!!」
 由宇さんが笑った。……なんだ。こういう笑顔もできるんだな。
 まだあどけなさが残っているいい顔だった。そんなとき……。
 ――ガラッ!
「父上、今日の晩御飯はなにに――」
 時が止まる。いきなり入ってきたのは塔子さんだった。
「お前は……なんでこの部屋にいる?」
「え、いやその……スルガニャンが」
 塔子さんは顔を真っ赤にしていた。たぶん部屋にスルガニャンと由宇さんしかいないと思っていたのだろう。これが素の塔子さんか。かわいいな……。
「おいらが案内した。家族のことも言っているにゃ」
「そんな……? まだ直接会って二回目ではないか。なぜそのような短い期間で他人を信用できるのだ、父上は?」
「……黙らっしゃい。この男はサイコー君だにゃ。お前も知っているにゃ?」
「サイコー君? お前が勝手に駿河屋のことをブログの記事にする、あのサイコー君か?」
「はい。……なんかすみません。勝手に記事にして」
「お前のあの記事! 『ゆうメールをゆうパックにする方法』のせいで、ほとんどの客がうまい棒を五本買っている。そのせいでゆうメールにできん! 送料がかさむであろう!」
「いや、ホントすみません。調子に乗ってしまいました……」
「営業妨害で訴えてやろうかと本気で考えていたところだ。お前がサイコー君なら、入社の件はなかった話に――」
「待つにゃ! 少し落ちつくにゃ、塔子……思い出すにゃ。今までサイコー君がどれだけ駿河屋を宣伝してくれたことを」
「くっ!」
「サイコー君がブログの読者に愛されているのかは知っているにゃ。温かいコメントの数々。サイコー君のおかげで駿河屋がもっと好きになりました……そんなコメントをおいらたちが読んで感動せんわけがないにゃ。サイコー君は駿河屋のためになくてはならない存在。……なぁ、サイコー君」
「う、うぅ……そうです! そう! ありが……ありがとう……スルガニャン。スルガニャン、ありがとう……!」
 もう俺は泣きっぱなしだ。こんなにスルガニャンが俺のことを認めてくれている。大好き。大好き、スルガニャン!
「こいつのオタクぶりは異常。それゆえ役に立つにゃ。もしかしたら塔子、お前より駿河屋の知識を持っているかもしれんにゃ」
「バカな? わたしは駿河屋創業時からずっといるのだぞ? もう何年にもなる。数々の企画をわたしたち三人で考えてきたじゃないか。それなのに、こんな奴がわたしより上回っているなんて。父上のメガネも……いや、サングラスも曇ったものだな!」
「だから落ち着くにゃ。あ、サイコー君。ちなみにおいらがなんでいつもサングラスをかけているか知っているかにゃ?」
「いえ……ファッションだと思っていました。」
「ふふ、これはな、脳移植のときの後遺症なんだにゃ。光を直接見たら目の前が真っ白になるにゃ。だから常にサングラスをかけているんだにゃ」
「そうだったのかぁ……へぇー、これでまたスルガニャンの秘密が一つわかった!」
「……見ろ、塔子。サイコー君は知識に餓えておる。なんでも知りたい。挑戦したい。この貪欲でありながら、大きなチャレンジ精神を持つことが、駿河屋社員であるべき姿であると思わんかにゃ」
「うっ……でも、わたしはサイコー君なんかに……」
「そこまで言うなら勝負をするにゃ。サイコー君の知識、そして塔子の知識。どっちが優れているかを。もしサイコー君が勝てば、塔子、お前はサイコー君を認めてあげるんだにゃ」
「わ、わかった。父上がそう言うのなら……」
「サイコー君!」
「はい!」
「おいらはお前をすぐに幹部にしてやろうと思っていたにゃ。でも塔子に負けるようだったらまだ早い。最低でも一年はずっと下働きにゃ。雑用ばっかりさせるにゃ。……それでもいいかにゃ?」
「はいっ、この勝負謹んでお受けします!」
 スルガニャンはニッコリ微笑んだ。
 俺と塔子さんの駿河屋通勝負が今始まる!

「テーマは駿河屋のメイン商品でもある『福袋』について。判定はおいらと由宇がするにゃ。勝負の方法はお互いが問題を出し合い、答えられなかったほうが負け。それを交互に三回行う、いいかにゃ?」
「いいです」
「異論はない」
「じゃあ先攻は塔子がするといいにゃ」
 塔子さん……どんな問題を出してくるかな? 福袋なら得意テーマだ。
「では聞こうか。なぜ福袋のセールではファンシーぬいぐるみ袋が百円で出せるのか?」
 いきなり難しい。いろんな解釈があるが、正解はたぶんこれだ。
「駿河屋は神……客に対して神です。ファンシーぬいぐるみ福袋。昔は二百八十円でしたが、今では四百円。でも福袋セールでは百円になる。いくら貧乏でもダンボールいっぱいの福袋が買える。いつもは自分の子どもにまともなプレゼントをしてやることができない。でも、年に数回だけでもダンボールたっぷりのぬいぐるみを我が子に送りたい。そういう客層へのサービス。思いやりだ!」
「うっ……当たっている」
「駿河屋は利益の損得を考えない。考えていることはどうやったらお客様が喜んでくれるのか、そのことばかりだ。だからぬいぐるみ箱を安く提供することができる。こんなの正直赤字さ。ダンボール代だけでも百円かかるかもしれない。それからぬいぐるみの仕入れ代や人件費、送料までかかっているんだ。これが神でなければなんだ? 神だよ、駿河屋は! ……しかも、気に入らないぬいぐるみがあれば売ることだってできる。つまり、永久ループ。何度も買い直して自分の好きなぬいぐるみが当たるまで買い続けることができる。ぬいぐるみはジャンクだと言うが、実はジャンクではない。確かに使用感がある商品はある。だが、それもわずかだ。むしろほとんどが新品。タグなしのものを見つけるほうが困難だ。この福袋の存在を知ってしまったらもうUFOキャッチャーなんてできない。俺も昔、UFOキャッチャーにはまっていた時期があった。でもUFOキャッチャーは百円で確実に取れる保証はない。例え取れたとしても大抵の場合が一個だ。少なすぎる。そしてUFOキャッチャーのアームの力は今の時代、ほとんどのゲームセンターでは最弱に設定されている。一個取るだけでも五百円はかかるだろう。それでも取れないかもしれない。……だが、ぬいぐるみ箱を買ったら? 一度経験すればやみつきになる。もうぬいぐるみを手に入れる手段はぬいぐるみ箱しか考えらない。お得すぎる。駿河屋大好き! スルガニャン大好き! ……というのが俺の見解だ」
「なんと……変態か」
 最後のスルガニャン大好きは余計だったかもしれない。だが、これ以上の答えはないだろう。
「――塔子、今の答えはどうにゃ? 合っているかにゃ?」
「……合っています。最初の一本はサイコー君の勝ちだ」
 よし、一本目先取だ。……で、次は俺から問題を出す番だよな。なにを問題にするかな……あ。あれがいいかも。
「では俺からの問題です。CD箱はなぜお得なのか? 答えて下さい」
 塔子さんが答える。
「簡単すぎる。貴公、もしかしてわたしをバカにしているのか? CD箱は八十二枚。価格は七百八十円。これが福袋セールでは五百八十円になる。ウチで取り扱う一番の目玉商品だと言ってもいい。貴公のブログにも書いているが、このCD箱とネットオフの買取コンボは驚異的だ。買い手側としてまず損をすることがない」
 さすが塔子さんだ。自分とこの商品のメリットぐらい、軽くおさえてるって感じだな。
「なぜネットオフとの相性がいいと言えるんです?」
「愚問だな。普通にネットオフに買取に出すとおそらく、買取価格は三百円から四百円といったところだろう。たまにレアなCDが含まれて一枚千円以上で買い取ってもらえるケースもあるが、それは十箱につき一枚ほどの割合。それを目当てに買取で利益を出そうと思うのはあまりにもリスクが高い。ネットオフはTサイト、もしくは自己アフィリエイトすることによって、初めて価値のある買取が行えるのだ。具体的に言うと通常Tサイトを経由すれば四百五十Pが約三か月後にもらえることになっている。だが、最近の傾向として、報酬ポイントの増量――つまり、六百五十ものTポイントが保証されている。月に五回までしか利用できないがな。ネットオフの買取価格が三百円だとしても九百五十円相当が手に入る。CD箱は七百八十円。リスクはなにもない。あるのはメリットだけ。……ふっ、これでどうかなサイコー君」
「えぇ、素晴らしい答えです。的を射ています。合格です」
 もう少し難しい質問にしておけばよかったな。お互い一問目は様子見といったところ。二問目からは難しくなるだろうな。今度は俺が質問に答える番だ。
「DVD百枚入りについて、デメリットとメリットを述べよ」
 キタ……これも研究範囲だ。もしかして俺のことをサイコー君だと信じていないのか?
 ブログだとこの件の研究記事は人気ページの一位を飾っている。得意中の得意だ。
「これを俺に語らせれば長いですよ……いいですか?」
「もちろんだ。正しく正解しようと思えば説明も長くなるだろう」
 駿河屋のことになると多弁になるぜ。スルガニャンも見ていることだ。いいところを見せないとな。
「DVD百枚入り福袋……値段は八千円ですか。ここ最近で八千百円という微妙な値上げを見せましたが。このDVD、三割はゴミ……雑誌の付録とかそういうやつに付いてくるやつですね。そういうDVDは売れない。駿河屋以外ではね。では、他の八割はどこで売るか? その前に『観ないの?』とか『持っておかないの?』というのは論外……。欲しいDVDが入っている可能性はまずない。なぜかモーニング娘。とか、お笑い芸人のDVDが多く入っている。趣味でない人には迷惑なほどのラインナップだ。さて、DVD百枚箱を買う目的はただ一つ。それは転売。これをどこに売るかがポイントになるわけですが、ゲオの宅配買取一択です。ゲオの買取は特別高いことはありません。むしろ安いと言えるでしょう。しかし、ゲオで売ることを勧める理由はなにか。それはキャンペーンアップというものがあるからです。ちなみにわたしが売ったときの記憶では、キャンペーンアップ金額が八千百九十五円。査定金額五パーセントアップ百九十五円。……あ、これは宅配買取の手順を省いたらもらえるやつです。まあ、このコースを選択しない人はいないでしょう。査定金額合計自体は全然大したことありません。三千九百円です。これにキャンペーンアップ金額等を合わせた入金金額が一万二千九十五円です。福袋の価格は八千円。右から左で五千円近くの儲けだ。それに自己アフィリエイトで報酬を得るのも可能。ASPはリンクシェアが基本ですが、実はハピタスというポイントサイトを経由したほうがお得だということが最近の研究でわかってきています。買取金額の九パーセントがポイント付与される。この還元率は異常です。実質一割増しで買い取ってもらえるのと同じ。経由しないという理由がない。デメリットはありません。いや……あるか。破棄率が多い場合。そのときはキャンペーンアップもたかが知れている。最悪な場合、赤字だ。俺はそういう人を何人か見ています。しかし向こうもうプロの転売ヤーだ。その都度学習する。今では三箱買って二箱に分ける三・二方法。もしくは四箱買って二箱にして四・二方法などの転売方法が確立されている。四・二のほうが確実とも言えるが、そもそも駿河屋でDVD百枚箱はめったに出ない商品。そう何度も味をしめるわけにはいかない。販売されると三十分もたたないうちに売り切れている。これだけの人気商品ならさらに値上げの可能性もありますよね?」
「そこまでわかっているのか……さすがだな。ちなみに今度DVD百枚箱を販売するときは九千百円にしようと思っている」
「やはり……ではこの問題、俺の勝ちでよろしいですね?」
「あぁ、ここまで答えられたら正解を言わざるを得ないだろう。見事だった」
 次は俺の番か。なににする……よし、基本だが奥が深いコミックスの福袋についてだ。
「塔子さん、次は俺からの出題ですね。いいですか……では、コミックス福袋はたくさんの種類がありますが、リスクはなにか? すべてのリスクについて答えていただきたい。あとは転売にどうすれば一番効率的なのかを」
「簡単なことだ。福袋のコミックスは基本的にジャンク。そうだな、少年コミックス福袋を例にあげてみようか。まず最新のコミックスはほとんどない。あったとしても確実にジャンク品。だが、それにも程度がある。カバーがセロテープでくっつけられているものなんて、けっこうお得だ。それ以外はきれいだからな。セロテープでくっつけるのは神経質な人間の場合が多い。ひどい場合はホッチキスで止めているパターンだ。これは泣けてくるぞ。きれいに針を取ったとしても穴が目立ってしまうからな。そして最悪なジャンクと言えば、まず中身違い。これはホントもう一番最悪だ。売るに売れないからな。また、本が割れているという例もある。持ち上げればボロボロと本が崩れる。一度たりともまともに読むことができない。もっとあるぞ。全体的に多いのは日焼けだ。読んでいると臭さで頭が痛くなることだってある。あとは巻数が飛び飛びに入っているため、どうしても続きが気になってしまう」
「その続きを駿河屋で買ってもらう……ってことも当然考えていますよね?」
「やるな……さすがサイコー君だ」
「デメリットについては正解です。ではこれをどうやって転売に活かしていくか? それをお答え下さい」
「いいだろう。ヒントはネットオフだ。Tサイトを経由するのがミソだな。ネットオフはキャンペーンで十冊以上の本で宅配が無料になる。これは一見いいようにも見える。だが、たった十冊では買取金額が百円までいくことはまずない」
「そう……かつては合計五十円以上で報酬の対象になっていた。だが、消費税増税のタイミングで五十円が百円になってしまった」
「どこも厳しいものだ。大体着払いをして送料を無料にしているのだ。ネットオフにもリスクがある。それをゴミみたいなものを送って報酬まで取られたらたまったものじゃない。ネットオフだって慈善事業ではないのだ。百円に切り上げるのは当然のこと。ということは十冊送るだけでは無理だ。……三十冊が安定。だが、もっと確実性を増すには三十五冊、四十冊はダンボールに詰める必要があるな」
「ネットオフで売るときの注意点は?」
「簡単だ。こまめに売ることだ。三百冊入りの福袋を買ったとしよう。これをこのまま三百冊をネットオフに送ってしまっては安く買い叩かれるのがオチ。せいぜい千円といったところか」
「そう。だとしたら二千円以上のマイナスだ。報酬を六百五十Pもらっただけではとても割に合わない」
「そのための分割だ。三百冊……つまり三十×十回に分けて売ることができるな。本自体の買取価格は変わらない。千円。しかし報酬の面で変わってくる。六百五十Pを十回もらうのだ。これだけでも六千五百P。おいしい」
「しかしTサイトでは一人、月に五回までしか適用されなくなってしまった。これは痛い……。だから二か月に渡って売ることが大切だ。まあ、これは以前から問題でもあった。何日の間隔を空けて売ればいいのか? この悩みをほぼ解消できる。一か月に五回なら単純に計算して六日に一回。つまりは一週間に一回の割合で送ったらいい。一か月五回までという括りがなかったときはとにかく売った者勝ちだったため、期間をほとんど空けずに売ってしまう例が多々あった。あまりにも短い期間で申し込みをすると、ネットオフから電話がかかってくる。俺はこれを二度も受けてしまった。……あのときはホント、ビビっちまったぜ。最悪の場合、もう二度と利用できねぇのかと思った」
「後半、ほとんど貴公自身が答えているではないか。これが勝負だということがわかっているのか?」
「おっと……つい。俺にネットオフを語らせたら長いッスよ。マジで」
 塔子さんの知識も相当なものだ。もしかしたら転売の経験があるのか?
 駿河屋を起業する前はヤフオクで転売していた、なんてスルガニャンが言っていたな。だったらネットオフも利用していたはずだ。ネットオフはゴミのようなものを送って報酬がもらえる。その分野では間違いなく業界トップだ。
 また、ブックオフオンラインだと買取金額関係なしに三百円の現金が報酬としてもらえる。だが、これは自己アフィリエイト限定。
 気軽にTサイトから、なんてことはできない。しかもASPはリンクシェア限定だ。
 だが、決して利用価値がないわけでもない。ほとんどのところで買取を拒否しているビデオや雑誌。これがブックオフオンラインで売れる。
 道端に落ちている雑誌をいくつか集めてブックオフオンラインに売ることだって可能だ。だがマンガの週刊誌、月刊誌などはいくらブックオフオンラインといえでも買取はできない。要は賢く使い分ければどんなショップにもそれぞれメリットがあるわけだ。
「では、次の問題でラストだな。出題だ」
 一人、問題は三つまで出せる塔子さんはこれが三つ目。ラスト問題だ。
 この問題に成功すれば、塔子さんには大きなプレッシャーがかかる。俺に負けの要素はなくなる。
 しかし、この次の俺の出題を塔子さんが答えればイーブン。どちらが勝ちかはスルガニャンによって決められる。
 ……絶対に落とせない。この問題だけは!
「では、わたしから最後の質問だ。【大特価】女性におくる同人誌 箱いっぱいセットについて答えよ」
「答えよって……なにを?」
「知っていることならなんでもいい。しかし、『これは同人誌の福袋です』なんて誰でも言えるような答えでは正解とは言えんぞ」
 これ……俺、買った。買ったことあるよ!
 たぶん塔子さんは女性向きの商品だからといって、俺が買うことはないと思ったのだろう。しかし、この福袋は七百円。若干ホモの要素が入っている俺が試さないわけがなかった。
 この福袋ははずれだ。よく覚えている。値段が安く、さらに大特価なんて書かれていたら、つい買ってしまうわなぁ〜。
「この福袋、はずれ箱ですね?」
 塔子さんの顔が少し引きつった。
「……なぜそのようなことが言える? 口からでまかせを言っているだけであろう」
「違うんだな。この福袋、俺も買いました」
「なにっ? まさか、男のお前が買ったというのか? ……ホモ?」
「えぇ、ガチではありませんが……若干。ダンボールの大きさはなかなかのものです。重量もある。俺も開ける前まではワクワクしていましたよ。七百円でこんなに入っていた。早く購入することができた、なんてね。でも開けてみればすぐにわかる。……これははずれ箱。その理由はほとんどが無料で配布されていたコピー本だからです。つまり、印刷会社によって加工されていない。ホッチキスや紐で止めただけのもの。その質は悪い。中には小学生が描いたのでは? と思われるものも含まれている。高校の文化祭でマンガ部が描いた、『自由にお取り下さい』ってのをかき集めたようなものばっかりですよね。俺はこの福袋を買って、ほとんどそのままの状態で買取に出しましたよ。いくらで売れたのかはわからない。二割ぐらいバックすればいいかなぁって。しかし、まだこの福袋を扱っているんですか。どこに需要があるんです?」
「まったくないわけでもない。これでも欲しがる客はいるのだぞ」
「なるほど……確かにいる。そういうツワモノたちが。だが、商品のタイトルがあまりにもよくない。これではただの初見殺し! コピー本集めました福袋と改名したほうがよいのでは? これではまたクソ袋掴まされちまったとクレームになることもあるでしょう。もっとも俺はこういうガッカリ感は嫌いではないですが。くく……」
「へ、変態か。やはりサイコー君は変態……?」
「この問題、俺の正解でいいですね?」
「くっ、そのようだな。まさか女性向けの同人誌まで手を出しているとは思わなかった……」
 さて、俺のほうもラスト問題だ。ラストに相応しい問題はなににするか。……ようし、あれでいくか。
「レトロゲームの福袋……あれ、いきなり高くなりましたよね? とくとくセットで、俺は二千四百八十円でたくさん買いましたよ。ワンダースワンのセット、ゲームボーイのセット。でも、それ以降かなり高い。一万を超えているでしょう。なんだってあんなに値段の変動が激しいんです? 説明できますか?」
「うっ、それは……」
 どうやら塔子さんは知らないようだ。だとしたらスルガニャンか由宇さんが値段を変えた?
「さあ、どうなんです? 質問に答えられないようでしたら俺の勝ちですよ?」
「それは……予想以上に売れたからだ! だからもっと値上げをして、需要と供給のバランスを図ろうと……!」
「それが塔子さんの見解ですか? ……残念だ。俺にはとてもそんなこと信じられない。つまり、いいですか? あれは――」
「……もういいにゃ」
 スルガ……ニャン?
「値段の変更はおいらは勝手に決めたこと。そういう細かい話を塔子にはしていなかったにゃ」
「お父さん……」
「サイコー君、君はどう思う? もし、おいらと同じ考えなら君は幹部だ。さあ、言ってみろにゃ」
 幹部? 俺がいきなり駿河屋の幹部……。
 もしそうなったらセールの企画を独自に考えてもいいってのか。あるぞ、アイディアはたくさん!
 俺の思い描いていた夢が叶いそうだった。しかもこんなに早く。
「さあ、言うにゃ!」
「わたしには答えられます。なぜ福袋が高くなったのかを」
「にゃ、にゃんと! 早く値上げの理由を言うにゃ!」
「俺は見ました。ブログを。駿河屋で買った福袋にレアなゲームソフトが入っているって。それを転売すれば何万にもなったって。……そのほとんどがレトロゲーなんです」
「……つ、続けるにゃ」
「今でも新品で売っているソフト……PS3やDSなんかでレアなソフトってありますか? ないでしょう。ですが、レトロゲーなら何十万円もするソフトがあるんです。ファミコン、ネオジオ、PCエンジン、セガサターン、比較的まだ新しいドリームキャスト。数千円の福袋の中に数万円のソフトが入っていた。買った多くの人たちがこれを喜んだ。そしてネットで売った。その儲けは十倍以上。いくら駿河屋のサービスがすごすぎても、これはさすがにサービスしすぎ。だが、どのソフトに価値があるのか、あなたたちはよくわかっていなかったんじゃないですか?」
「うっ、うぬぬ……っ!」
「だから一番簡単な方法。値上げという手段を取った。違いますか?」
「確かに、サイコー君の言う通りにゃ。でも他にどういう手があった? おいらはな、始めはそれでもいいと思っていたんだにゃ。でもあるブログを見ると、『駿河屋、価値のあるソフトわかってねぇ、ごちそうさん!』なんて記事もあったにゃ。おいらたちは客にサービスをする。だが、無知呼ばわりされるなんて、悔しくて悔しくて……」
 スルガニャンが泣いてしまった。よっぽど悔しかったのだろう。だが、それも俺が入社してきたからには大丈夫だ! これからはずっとスルガニャンを守るよ。
「スルガニャン……ぼくにいい考えがある。まずは価値のあるソフトのリストアップだ。なぁに、検索すればいくらでも出てくる。そしてソフトの画像も手に入れよう。まとめるんだ。そして買取・検品の際にすぐそれがわかるようにしておく。そしたらレアソフトの取りこぼしがない。地道に一つずつ登録するしかないんだ。……確かに値上げをすれば、例えレアゲーが入っていたとしても、『駿河屋ざまぁー』なんて言われることもない。だが、そんなことを言う客はごく一部だけさ。ほとんどのお客は昔のゲームをやりたい。童心に戻りたいんだ。……それをしてこそ駿河屋だろ。売れないソフトは今まで通り福袋にすればいいじゃないか。福袋バンザイだ。スルガイヤーは福袋を待っている。福袋で日本中のすべての人たちを幸せにすることができる。それが駿河屋でしょう? スルガニャン……」
「おっ、おぉ……っ! おおぉっ!」
 スルガニャンは言葉にならないほど泣いた。
 その姿を見て、塔子さんと由宇さんも泣いた。……俺ももらい泣きだよ、ちくしょう。
 でも、これで俺もスルガニャンファミリーの仲間入りだ。スルガニャンと家族になったような気がした。
「この勝負……サイコー君の……勝ちだにゃ!」
「……異論はない。わたしも認めよう。貴公の駿河屋に対する熱い思いを!」
「塔子さん……」
 塔子さんが右手を俺の前に出してきた。そして、二人は固い握手を交わす。塔子さんに認めてもらえた。嬉しい……。
この記事へのコメント
2ちゃんでホモ扱いのコメがありますが、ホモではなくショタ好きですよね?過去記事読んでればわかる筈なのですが。ショタというよりも広義の意味でのロリ?でも普通にAV借りてるし、おっぱいの大人のおもちゃ買ったりしてるしなぁ。
Posted by at 2014年07月27日 23:58
どうもです!
ショタ好きですよ。二次元だと理想はサマーウォーズの佳主馬君とか、ホイッスル! の椎名翼です。
長島海輝君なんか素敵ですよね。でももう大人になってるか。
一般のイメージのホモではないですね。

最近は立花樹里亜さんにはまっています。
金髪より薄い感じの髪と黒地の肌が最高ですね。肌もきれいだし。

ぽすれんのスポットレンタルでさとう遥希さん4枚と、立花樹里亜さん10枚借りてますw
今はセールで一枚80円で借りられるのでお得ですよ。

おっぱいの玩具はまだ家にありますw
色が残念でした。なんか一番肝心なところがオレンジ色なの。

健全……なのかな?
Posted by 管理人 at 2014年07月28日 00:18
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